実は、60歳以上の76%がヘルニア

ある程度の年齢になり椎間板が飛び出るというのは、
年を取ってシワが増えたというのと変わらないほど普通のことです。

実際に「60歳以上の人間の76%がヘルニアである」という発表もされています。
この数字には、腰痛のない人も当然含まれています。

ヘルニアと腰痛の関連性がいかに低いかは、この事実からも証明されています。

もし、本当にヘルニアで神経が潰れていれば、
それこそ排便排尿障害や下肢の運動麻痺が出ることになります。

その場合は、精密検査をして、原因を突き止めなければなりません。

そんな症状が出てないなら、ヘルニアと言われ、痛みがあっても心配する必要がないのです。

椎間板ヘルニアの嘘

椎間板ヘルニアで、痛みは起きません。

椎間板とは脊柱を構成する骨と骨の間にある軟骨で、ヘルニア(hernia)とは「飛び出す」「脱出する」という意味のラテン語です。

この椎間板がずれたように飛び出して神経にあたると、
神経を圧迫して痛みやしびれを起こすというのが、
これまで多くの治療家がしていた説明です。

しかし、それはちゃんと医学を学んだ人間であれば、
口にできる言葉ではないほど事実に反することです。

なぜなら椎間板は、神経よりやわらかいものだからです。

医学生であれば必ず大学で手に取るはずの医学書にも
「椎間板が神経にあたっても、痛みやしびれが出ることはない」
と書かれています。

滋賀医科大学名誉教授であった横田先生も、このことを実験しています。
そして、「臨床医のための痛みのメカニズム」という専門医学書の中で、
「神経根痛は、神経根圧迫だけでは症状は出ない」
「脊髄神経根をバルーンカテーテルを使って圧迫すると、知覚障害と感覚鈍麻が誘発されるが、痛みは誘発されない」ということを書いています。

ヘルニアが痛みの原因?

ANSWER

ヘルニアで椎間板が飛び出ても、痛みと無関係。

Disc herniated

この絵は、椎間板が飛び出して、神経を圧迫している、いわゆるヘルニアを表したものです。

痛そうに見えますが、結論をいいますと、“神経の途中”が圧迫されても痛みは発生しません。痛みは神経の先端部分で感じるからです。

さらに、椎間板はクッションの役割をする柔らかいものですので、椎間板より硬い神経を潰すことすらできません。

ちなみにヘルニアは犬にも猫にもあります。腰痛でない人の76%に椎間板ヘルニアがあった研究結果も発表されています。