MRIを撮っても、『腰痛異常なし』のワケ

みなさんは腰痛についてどのような印象をお持ちですか?

いままで腰痛を患ったご家族やご親戚を見てきたことがあれば、いろんなところにいったけれど結局治らなかったという印象がないでしょうか。そして、一度なってしまったら緩やかに悪くなる一方でもうよくならないものだという印象がないでしょうか。

ここで言う腰痛とは、何ヶ月も同じ箇所が痛み続ける状態を指すことにします。痛みは痛みでも、切り傷や打撲などとちがいますよね。放っておくと回復していく痛みと、放っておくと悪化していく痛みに分かれるんです。なぜでしょう。

それは、「腰痛」が筋肉が硬くなることで起こっているためです。ほうっておくとだんだん硬くなりますよね。年配の方ほど体が硬いことからもわかると思います。そして、痛い箇所は必ず硬くなっています。筋肉が硬くなるというのは、別に組織が切れているわけでもないので、自然治癒できないんです。

ヘルニアや脊柱管狭窄症と診断された場合でも、痛みの箇所と画像の比較でしっくりこないことも多いと思います。それも筋肉が硬いことで痛みを発しているためです。

つまり、筋肉を元の硬さに戻らない形で軟らかくすることができれば、痛みが消えていくということです。それができる施術方法が「緩消法」です。揉むわけではないので、外側から緩やかに軟らかくしていくことがかの可能です。

ぜひ緩消法で、痛みの不安から解放される生活をお過ごしくださればと思います。

姿勢が綺麗すぎる人は、腰痛になりやすい?

ANSWER

綺麗すぎる姿勢は腰痛を招きます。

Infant child baby toddler sitting raise hands up

綺麗な姿勢というと背筋をピンと伸ばしたあの状態をイメージされる方が多いかと思います。

座ったままで結構ですので、背筋をピンと伸ばしていただいて、そのまま背骨から左右5cmあたりの腰の筋肉を触ってみてください。

カチッと硬くなっているかと思います。

この状態が長時間続くと痛みが出てきます。

見た目は綺麗ですが、必ずしもそれが良い姿勢であるとは限りません。腰に負担のかからない、痛みの出ない姿勢が、本当の意味で良い姿勢です。

姿勢矯正バンドなどがありますが、これを着けていると、常に背筋が伸びた状態が続くため、逆に腰を痛めることにもつながってしまいます。

むやみに、このようなものに頼るのではなく、適度に体を動かし、緊張した筋肉から老廃物を排出するように心がけることが最も良い方法かと思います。

いつもカバンを持つ人は、腰痛になりやすい?

ANSWER

片側の筋肉が緊張し、腰痛になりやすくなります。

laughing baby with red and blue suitcase, on white

リュックサックなどの左右対称に負荷がかかるカバンは例外ですが、片方の肩だけにかけるショルダーバッグや片方の手だけで持つカバンを常に使っていると片側の筋肉だけが緊張してしまいます。

どういうことか言いますと、左右のどちらかだけでカバンを持っていると、左と右で頻繁に動かす筋肉と動かない筋肉ができてしまいます。その結果、動かさないほうの筋肉は、老廃物の排出がうまくいかず、緊張が増していきます。

片側の筋肉だけが緊張すると、片側の筋肉だけが縮んでいき、骨格も歪んでいきます。そうすると、歪みを抑えようと、歪んだ筋肉周辺の筋肉は耐える力を働かせ、筋肉はさらに緊張するという悪循環に陥ってしまいます。

出来る限り、左右どちらかだけでカバンを持つのではなく、左右両方交代で持つことが腰痛予防に望まくあります。

筋肉を鍛えると、腰痛になりやすい?

ANSWER

筋肉を鍛えると腰痛になりにくくなりますが…

Kind als Handwerker mit Muskeln auf Tafel

腰周辺の筋肉を鍛えると、腰痛になりにくくなります。

これは、腰に耐える筋力がつくためです。

しかし、筋肉隆々の人でも腰痛はありますし、うちの施術院にもスポーツインストラクターやジム通いで長年筋肉を鍛え続けている方も腰痛で多数来院しています。

また、腰痛をきっかけに筋肉を無理に鍛え、痛みがさらに悪化した方もたくさん見てきました。

ですので鍛えるよりも先に、筋肉を軟らかくして緊張を取り除くことが、腰痛にならない秘訣です。

妊婦さんになると、腰痛になりやすい?

ANSWER

はい、腰に大きな負担がかかるからです。

Girl feeling her mother's pregnant belly.

赤ちゃんを身ごもり、大きなおなかになった妊婦さんは、体の重心が通常より前にかかるようになってしまいます。

常に背骨を反っている状態が続いているため、腰の筋肉に大きな負担がかかります。

ですので腰痛になりやすいのは当然です。

負担を軽くする方法として、背骨を反らして立っている時間を短くするのがいいのですが、軽く前屈姿勢を取るように意識するだけでも、かなり改善されます。

無理な前屈は胎児に負担がかかるため、軽くおこなってください。

柔らかいベッドは、腰痛になりやすい?

ANSWER

はい、寝返りが打ちにくいため…

Baby boy lying on the bed and sticking his tongue out

おそらく、ほとんどの方が毎晩6~8時間程度の睡眠をとっているかと思います。

毎晩6~8時間も寝たままで体を動かさないでいると、筋肉は硬くなってしまいます。

しかし、人間は寝返りを打つようにできているため、睡眠中に筋肉が硬くなってしまうことはありません。

したがって、柔らかすぎるベッドで寝ますと、体が埋もれ、寝返りが打てないため、おすすめはできません。

反対に硬すぎる所で寝ても、体重で筋肉が圧迫されて血行不良が起こり、痛みが出ることもあります。ですので硬すぎるのも良くありません。

僕がすすめているのは10cm程度のクッション材(マットレスなど)の上に布団を敷くことです。これであると十分寝返りが打てます。

腰痛を治すために、高額のマットレスを買おうか迷ってる方がよくいらっしゃいますが、腰痛の原因は筋肉の緊張であるため、寝具を変えても、この根本原因が解消することはありません。

よくマッサージに通っている人は、腰痛になりやすい?

ANSWER

はい、腰がカチカチになります。

Stress of a businessman

 初めに誤解のないように、お断りしておきますが、ここでいうマッサージは強く揉んだり押したりする、いわゆる東洋系のマッサージのことを指しています。

マッサージをしますと、痛いけど気持ちいいという「イタ気持ちいい」感覚になります。

実は、このイタ気持ちいい感覚を味わっているその瞬間、筋肉の『筋繊維』は断裂していっております。

そして、断裂した筋繊維が再生するときは以前よりも硬くなり、これを繰り返すうちに筋肉が岩のようにカチカチに硬くなってしまいます。

つまり、マッサージをすればするほど、筋肉は硬くなってしまいます。

実は僕もつい数年前までは、このことを知らず、腰の筋肉が硬くて痛みがとれない方に対し、強く揉んだり押したりしておりました。

しかし、毎日続けて揉んだり押したりしても、軟らかくなることはありませんでした。

繰り返しお伝えしますが、マッサージをすればするほど、筋肉は硬くなってしまいます。

デスクワークは、腰痛になりやすい?

ANSWER

はい、長時間のデスクワークは注意が必要です。

Cute pupil not paying attention in classroom

 そもそも、腰痛などの筋肉の痛みは、①筋肉痛のような「動かすことによって起こる痛み」と②「動かさないことによって起こってくる痛み」に大きく分類されます。

デスクワークの場合ですと、②「動かさないことによって起こってくる痛み」に該当します。

筋肉の中に、『老廃物や緊張成分』が溜まると痛みが起きますが、心臓のポンプの力だけでは、『老廃物や緊張成分』を静脈に流し出すことができません。

ですので、通常は筋肉を伸び縮みさせることで、血液を流しやすくさせているんです。

長時間のデスクワークで、腰の筋肉を動かさないでいると、血液の流れが悪くなって、『老廃物や緊張成分』が溜まり、痛みが起こりやすい硬くなった筋肉の状態になります。

したがって、こまめに休憩をはさんで、腰の筋肉を動かすなどが大事になります。

首をボキボキするのって、どうなの?

ANSWER

大変、危険な行為です!!!

young japanese woman receives chiropractic

整体やカイロプラクティックなどで、首をボキボキするテクニックを『頸椎のアジャストもしくはスラスト』などと言ったりします。

これをされると痛そうなイメージがありますが、実は痛みはなく、頭がスッキリ爽快になります。

しかし…、

これは大変危険な行為なんです。

平成24年に国民生活センターから発表された「手技による医療類似行為の被害」によりますと、過去5年間にあった危害相談のうち、神経・脊髄の損傷が177件あったと報告されております。

神経の損傷』といってもイメージしにくいと思いますが、

例えば、首の神経が損傷(傷ついた)した場合、最悪首から下が動かなくなります。手が動かなくなったり、足が動かず歩行困難など。

痛みのある筋肉を押したり、揉んだり、伸ばしたりすると痛みは悪化しますが、その状態から良くなっていくことはできます。

しかし、神経が損傷した場合は、この地球上でこれを治せる人は一人もいません。

僕も昔カイロプラクティックをやっていた頃、母親に何度も首をボキボキ練習していましたが、今から考えるとゾッとします。

「伸ばす」と痛みは解消する?

ANSWER

痛いのに「伸ばす」と悪化する場合があります。

woman getting a thai massage

 まずはじめにお断りしておきますが、ここでいう「痛み」は、「いつも以上に体を動かして起こった痛み」のことではありません。

例えば、スポーツして腰が痛くなったとか、畑仕事をして腰が痛くなったとか、引っ越しの手伝いで腰が痛くなったとか、そういう痛みは「伸ばし」ても問題ありません。

ですので、運動後の筋肉痛などの状態のときには有効でありますが、慢性的に痛みのある筋肉に無理に行うと悪化することがあります。

痛みを我慢して筋肉を無理に伸ばすと最悪、筋繊維が断裂します。

筋肉を伸ばす治療法に牽引療法というものがありますが、

日本整形外科学会の発表では「腰痛患者全般に対する牽引療法が有効である可能性は低い」とされております